- 2015-10-22
- Fリーグ, レポート・ギャラリー
- 久光重貴, 湘南ベルマーレ
ゼビオFリーグ第24節の湘南ベルマーレ対エスポラーダ北海道戦で、FP久光重貴が約10カ月ぶりにピッチに立った。肺がんに冒され、今も抗がん剤治療を続けている久光だが、確かな存在感を示し、自らのプレーで横澤直樹監督の信頼をつかみ、出場時間を伸ばした。前半約2分、後半約3分の出場時間の中で、2本のシュートを放ち、Fリーグの舞台で存在感を放った。
残り55秒で同点に追いついた湘南だが、最後の1秒でブザービーターを決められて1-2で敗戦。その瞬間もピッチに立っていた久光は、悔しさを言葉にした。
以下、試合後の久光重貴選手のコメント
――試合の感想は?
「決めるチャンスがあったのに、本当に申し訳ないです」
――前半に出場したときから、積極的に縦パスを入れていたが?
「そうですね。でも、まだまだですね。僕が今日ゴールを決めてさえいれば、会場が笑顔で満開になっているところだったのに…。自分ひとりの力不足のために、みんなを暗い表情で帰らせてしまうことになってしまいました」
――入場の際は、歩行が困難だったけど、久光選手との入場することを目指して懸命に自分の足で歩けるようになった子供と入場した。
「うれしかったですね。整列してから、あの子を支えているときに、あの子の心臓がすごく早くて。緊張もしていたと思うけど、あの心臓の音を聞いて、テンションを上げないといけないなと思ったし、最後まであきらめちゃいけないなと気持ちを奮い立たせてもらいました」
――2度のシュートチャンスがありましたが?
「あの左足で打ったやつは、今思うともう一つ持ち直せたかなと思います。あと、小野くんから良いボールが来て、タイミングを外して打ったやつもあったんですけど、あのボールを決めるのが大事なんだなと。まだまだ練習しないといけませんね。これだけホームで、この空気をつくってもらって、あとは自分が点を取ればすべて空気が変わることも分かっていた。それができなかったことが、すごく悔しい。今までの自分にとっても、今後の自分にとっても、今日は点を取らないといけなかった。それくらい時間もないし、試合できる回数も少ないと思う。今日のこの試合がどれだけ大事だったか。そのことは毎試合、感じないといけないことだと思うし、それを持ち続ければ、うちの選手も、もっともっと良くなっていくと思う。もうこの試合は戻ってこないし、あのシュートの場面も打ってしまったら戻ってこない。後悔しても何も変わらないけど、悔しい気持ちは強いです」