【Fリーグ2014/15】10か月ぶりに復帰の久光「気持ち次第でやりたいことはできる」

――久光選手個人でいえば、昨シーズンの試合に比べて格段に動けていたと思うが?
「そうですね。昨季は毎日、抗がん剤の飲み薬を飲んでいた分、体はしんどかった。今は1カ月に一度の治療になって、間違いなく動きやすくなっています。たとえ、がんになってもこうしてプレーができるし、好きなことができるんです。他のがん患者さんたちも含めて、絶対に下を向く必要はないし、自分の気持ち次第でやりたいことはできます。そのことをみんなに発信してほしいし、僕はそれを証明するために、ゴールを決めないといけない。そのプレッシャーを、ずっと持ち続けなければいけないし、まだまだここからも僕にはやらないといけないことはたくさんあります」

――今後、連戦になるが感触としては?
「選手を選ぶのは監督なのでね。コンディションを常に維持し続けることが、僕ら選手の仕事なので。できる限りのことをやって、監督から必要としてもらえるなら、ピッチに立つことをやり続けたいなと思います。やっぱりチームスポーツだから、監督がいる中で、監督に選ばれる信頼を得られるまで時間がかかるし、信頼を失えばそれを取り戻すのは難しい。人が人を選ぶスポーツの中で、自分が選ばれるために必死にやらないといけない。欠点を見直して、そこを修正して、信頼してもらって試合に出る。ピッチに立つというところまで、しっかり段階を踏んでやっていきます」

――久しぶりの試合というのはどうでしたか?
「楽しかったです。良い緊張感があったし、このホームで、この空気をつくってもらって、楽しめたし、ゴールを決められなくてごめんなさいと」

――残り2秒でピッチに入り、その直後のCKから失点した。ニアで合わせる以外に失点があり得ない場面だったが?
「見えないところからボールが来て…。あの瞬間に時間が止まりました。ポストに当たって、ゴールに入ったんですよね。ボールが中に入ってきた瞬間に、もう室田(祐)の足に当たっていて…。残り1秒で失点して…。でも、これが人生。残り1秒で勝つ試合もあれば、負ける試合もある。常に1秒、1秒、時間が進んでいる中で、常に巻き戻しはきかない。それを今日、試合でまたあらためて教えられました。常に1秒先には進めるけど、1秒前には戻れない。それを強く感じる試合でした」

――今後の試合に向けては?
「体と相談しながら、メンバーに入れるように準備をしたいと思います。今日の試合、絶対にゴールを決めてミックスゾーンで記者のみなさんを泣かせてやりたいなと思っていたのに、悔しいなぁ! 必ずゴールを決めますから、また来てください」

(写真/文 河合 拓)

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