【Fリーグ2015/16】永井義文 イタリアで変わったゴールの概念

――いろいろな想いを持って、新シーズンの開幕戦でプレーしたと思います。久しぶりのFリーグには、どんな感想を持ちましたか?
「まずは大分に勝てなかったことが残念です。結果がすべてだと思うので、勝てなかったというのが一番ですね。それまで良い準備ができていましたが、勝てなかったら意味がありません。そこが一番のところです。もう一つは、2-3になった局面で3点目を取れる選手にならないといけないということです」

――開幕戦では0-3で追いかける展開になり、そこから永井選手が2ゴールを挙げて2-3になりました。イタリアでの成果が見られる泥臭いゴールでしたね。
「自分が経験したこと、信じてやってきたことが結果として出たという意味では、やってきて良かったなと思いました。でも、あの2-3になった局面で、3点目を取れないとチームは勝てない。優勝を狙うには、あそこで勝つことが必要ですし、チームに3点目を取れる選手が必要です。それが、星翔太さんであり、森岡薫さんだと思うんです。そこが僕と、あの人たちの差だと思います。絶対的に大事な局面で、決められる選手かどうか。そういう選手にならないといけないというのは、新しい課題として見つかりました」

――2ゴールの喜びより、3点目を逃した悔しさの方が残っているんですね。
「過去に1回だけハットトリックしたことがあるんです。でも、その日は、たまたまみたいなところがありました。試合展開も緊迫していなかったというか、完全な勝ちゲームで挙げた3点目でした。そういうゴールも大事ですが、僕が本当に取りたいのは、大分戦のように2-3まで追いあげて、ここでもう1点欲しいというところでのゴールです。あの局面で、波に乗って点を取れるような選手になる。それができないと、本当の意味でのストライカーにはなれないのかなと思います」

――これは入るだろうというチャンスもありましたよね?
「はい。まさに、ああいうところなんですよ。おもちゃの左足がね…」

――苦しいとき、大阪はヴィニシウス選手がチームを助けてきました。彼以外にも、勝負所で得点できる選手が出てくると、対戦相手には脅威になりますね。
「チーム内での争いもあるし、バナナ(ヴィニシウス)にも負けられません。バナナと、ノブさん(小曽戸允哉)と、僕が、チーム内で良い意味で競争をしながら、攻撃力をアップさせないといけません。ノブさんは、ケガをしてしまいましたが、すごくチームにフィットしていましたし、能力は高いので。ケガから戻ってきたら間違いなくゴールを量産すると思います。それまでに僕は、貯金をつくっておかないと(笑)。そうすることで、ノブさんにも良い刺激になると思います」

――Fリーグ全体の印象については、どうですか?
「いろいろな方面からFリーグを盛り上げよう、何とかここでフットサルの花を咲かせようという想いが詰まっていた開幕戦だと感じました。選手が自分たちで、そんなことをしなくてもいいという人もいるかもしれませんが、僕は選手から発信することも大事だと思います。むしろ、僕はなんでもやりますっていう気持ちですね」

――開幕前につくった大阪の『壁ドン』の動画は話題になりました。
「ああいうのも、全然やりますよ(笑)。極端ですけど、フットサル界が盛り上がるのであれば、『熱湯風呂に入れ!』と言われても入るし、その後に自分から氷水にも浸かって『交代浴や!』っていうくらいまでやりますよ。今の自分の置かれている状況下で出来ることは何でもするつもりです。それくらい本気だし、周りも同じくらいの気持ちでやってくれていると思います。今回の開幕戦だけで終わらずに、それぞれ各チームで新規のお客さんを獲得しないといけないと思っています」

――昨年のシーズン終盤には、大阪の木暮監督と浦安の米川監督の間で、戦い方を巡る舌戦もありました。永井選手もTwitterで意見を書かれていましたよね?
「ああいうのは、面白いですよね。対戦というか、バトルというか、ちょっとプロレスの煽りのような、ああいうのが日本人は好きなんだなって感じました。ああいうことをもっと選手間でやってもいいのかなと。たとえば、Fリーグで絶対的な存在になっている(森岡)薫くんを引き合いに出して、『明日の試合では薫くんより、1点多く取ります』とか。そういうことをやっても、面白かったりするのかなと思います」

――以前、大阪がチームでやっていた試合に向けた『公約』は面白かったですよね。せっかくなので、最後に次節の浜松戦に向けて公約をお願いします。
「ありきたりですが、開幕戦でできなかったハットトリックを決めたいですね。ハットトリックを達成した上で、2節終了時の得点ランキングでトップに立ちます!!」

――ありがとうございました。

(写真 箕輪諒太 文 河合拓)

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