- 2015-11-16
- レポート・ギャラリー, 日本代表
試合後に柏トーアの奈須 隆康監督、高村 輝選手に話を聞いたが、どちらも「ろう者」という情報が事前に入っていなければ、なんら普通の競技チームと変わらない、強く良いチームだったと話していた。
奈須監督は「一番感じたのは、切り替えが速さ」と、相手の強みを体感した。序盤の優位から流れが移り、徐々に相手にチャンスが生まれ始めると「うちの選手が何人も置いていかれていた」と驚いていた。
「個々の上手さは羨ましいぐらい」と語ったのは、高村選手。守備で相手の攻撃を受け止めつつ、個人の技術や打開力を肌で感じ「戦えるチーム」だと強さを認めていた。
デフ男子代表の船越 弘幸選手は「自分たちの欠点を見事に突かれた試合だった」と反省したが、柏トーアの戦術や個々の力など「これは”観る”より”体感”しないとわからないもの」とし、「デフフットサル日本代表にとってものすごく大きな経験となった」と話した。互いに、今回の対戦で得たものは多かった様だ。
デフフットサルという競技。筆者は、耳が聞こえないという”ハンディキャップ”を感じるよりも、それがあるからこそ強くなっていく部分を、この試合で感じることが出来た。頻繁に、詳細に行うコミュニケーションや、対人能力がそうだ。
また、浮き出た課題を克服する姿勢も高かった。試合後に船越選手は、すぐ高村選手にコンタクトを取り、対戦した中での感想を聞いていた。後に、船越選手は筆者に対しても、見て感じた部分は何か、と訪ねてくれた。成長の為に多角的に情報を得て、噛み砕いている。船越選手は関西2部のジプシーにてプレーをしているが、フットサルが上手くなりたいという想いの強さがあるからこそ、地域のトップリーグでも活躍が出来るのだろう。
11月20日より、タイにてデフフットサルのワールドカップが始まる。初戦は20日。男子はイラン、女子はロシアと、男女ともに世界王者といきなりの対決だ。険しい道だが、ぜひ頂点を掴みとってもらいたい。
【デフフットサル】男子代表×柏トーア’82 フォトギャラリー
柏トーア’82 高村 輝「『伝える』という作業を、チーム全体がしっかりとやっている」
柏トーア’82・奈須 隆康監督「情報を収集すること。うちの選手よりも細かくやっている」
デフフットサル男子日本代表・船越 弘幸選手「大事なのは『執念』。がんばってみなければわからないもの」
デフフットサル女子日本代表・井部 絵里子選手「山本JAPAN一丸となって、全力で試合に臨みたい」
デフフットサルワールドカップ公式サイト
http://2015worlddeaffutsal.com/
男子日本代表日程(PDF)
http://jdfa.jp/wp/wp-content/uploads/2015/11/6b92b42895271109cc77f30f30989f9a.pdf
女子日本代表日程(PDF)
http://jdfa.jp/wp/wp-content/uploads/2015/10/85ea289d456bed3498d2669d5c866bd0.pdf
※上記は日本ろう者サッカー協会ニュース内より引用させて頂きました。
(写真/文 箕輪諒太)